株式会社ヒトコトLabって?

「採用ができないんです」

その言葉の裏には、人が来ない焦り、人が定着しない不安、そして “自分たちの会社には魅力がないのではないか” という、経営者自身の迷いが隠れていることが少なくありません。

けれど、福岡を拠点に全国の企業と向き合う株式会社ヒトコトLab代表・箱島健人さんは、そんな相談を受けたとき、静かにこう語ります。

「すでに、ここで働いている人がいますよね。その人たちが “ここで働き続けている”という事実こそが、会社の一番の魅力なんです。」

採用とは、条件を整える作業ではない。人を集めるテクニックでもない。
会社の中にある “まだ言葉になっていない価値” を見つけ、それを必要とする誰かに、丁寧につないでいくこと。

ヒトコトLabの仕事は、その一言一言に、人生への責任が宿っています。


社会を支える仕事に、まっすぐ光を当てる採用支援

快生館(ヒトコトLabがワークスペースとして利用している山のオフィス)

ヒトコトLabは、企業が必要とする人材を採用・定着させるためのサポートを中心に提供する会社です。働く人と企業の想いを重ね合わせて、双方が活きる関係をつくっています。

得意としているのは、” 社会の土台を支えているにもかかわらず、「人が集まりにくい」と言われがちな業界 ” つまりは農林水産業や建設・製造業など、担い手不足や高齢化が大きな課題となっている社会インフラを支える業界の良さをしっかりと引き出し、隠れている本質的な企業の 「格」 を見出すこと。

箱島社長は言います。

「警備の人がいるから、安全が守られている。農家さんがいるから、僕らは食べられている。そういう仕事をしている人たちは、本当は、もっと尊敬されていいと思っています。」

ヒトコトLabの採用支援は、「どうやったら人を集められるか」ではなく、「この会社は、どんな価値を社会に渡しているのか」から始まります。

すでに現場で働いている人たち。長く続いている理由。 辞めずに踏ん張ってきた背景。
そこに宿る “誇り” をすくい上げ、言葉に変え、求人というかたちで世の中に届けていく。

採用を「点」で終わらせず、入社後の定着や育成までを「線」で見つめる。
それが、ヒトコトLabの伴走型支援です。採用コンサルティングと伴走型支援を通じて、企業と人が共に活きる関係を築くことを目指す人材支援会社です。


コンプレックスが育てた「人を見る目」

箱島社長は福岡県で生まれ育ちました。決して自己肯定感の高い少年時代ではなかったそうです。

声変わりが遅く、声が高かったこと。合唱コンクールでソプラノを任されたこと。
「男なのに声が高い」と見られる視線が、当時はとても辛かったと語ります。

まだ「多様性」という言葉が今ほど浸透していない時代。そんな空気の中で感じた居心地の悪さ。

けれどその一方で、箱島社長はクラスの リーダー格やわんぱくな子たちとも自然と距離を縮めていました。どうすれば受け入れてもらえるのか。どうすればその場に居ていい存在になれるのか。それは計算というより、本能的感覚、生きるセンスだったのだと思います。

相手の目を見る、仕草を見る、空気の変化を感じ取る。
目に見える情報よりも先に、人が放つ空気や間の取り方に、自然と意識が向くようになり、その積み重ねが、のちに履歴書や肩書きでは測れない「人の本質を見る力」として、採用の現場で生きていくことになります。


挫折と旅が、価値観をひらいた

高校時代、周囲との価値観の違いに息苦しさを感じ、箱島社長は県外の大学へ進学します。

大学では国際ボランティアに関心を持ち、フィリピンのスラム街での支援、学校作りや家を建てる活動にも関わりました。理想に胸を膨らませながらも、組織の中で思うように動けない現実にぶつかります。

国際ボランティアサークルHabitat、大学内でも200名を有する大きな組織で、1年生から運営委員として役員を経験し、後に会長選挙に出馬するも敗れ挫折を経験します。

その場、その環境にいることが苦しくなり、NPO法人JAEが斡旋する人材系企業でのインターンシップに3ヵ月間参加しました。

そこで社長から投げかけられた言葉が、箱島社長の価値観を大きく揺さぶります。

「君は、人を能力で判断しすぎる。視野を広げていろんな価値観を受け入れなさい。」

悔しさと反骨心。けれど、その言葉は “課題” として心に残りました。

外の世界で体験してこよう、もっと成長してこようと思い、バイクで日本各地を回った箱島社長。地図を見るのも大変で、携帯の充電も切れ、何もかもあてにならない中で、初めて「助けてください」と口にし、 受け入れてもらう経験をしました。

「助けてって言える強さと、受け入れてくれる人がいるありがたさを、あの旅で知りました。」

警備の仕事をする人。建設業に携わる人。自ら体を動かし、安全規範を守り、社会を支えている人たち。その姿を見て、”仕事に上下はない” と心から思えた。この旅が、「条件ではなく、人を見る」今の仕事観の原点になっています。


「組織化」への違和感から、自分の仕事へ

新卒で大手人材派遣会社に入社。
なぜ人材業界に進んだか…それは学生時代のボランティア活動で、人と関わることをメインでやってきて、それに興味があり選択されていたものを選んだという感覚です。「人間は自分の経験の中でしか、人生を選ぶことはできない」結局こう思っています。

ベンチャーではなく大手企業に入社した方が、その中なら自分ができるイメージが沸いたから。しかしその会社で、自分の力ではないのに営業成績が上がり、新人賞を獲るなど認められることに苦しくなってしまい、さらにこれから先、自分の力が付くのかと考えると全然イメージが湧かなくなってしまった箱島社長は転職を決めます。

転職後は、採用・定着・教育を一貫して支援する人材事業に深く関わりました。
ここで箱島社長が磨いたのは「人を見る力」ではなく、「人と向き合い続ける力」だと感じました。

現場で成果を出し、経営側という立場も経験し、役割も責任も大きくなっていく一方で、
組織化していく流れの中で、心の中には違和感が積み重なっていきます。

組織が拡大し、「10億を目指す」という目標が掲げられたとき、仕事は次第に “誰でも回せるサービス” へと寄っていき、専門性で人と向き合うより、組織として回しやすい仕事を優先する流れになっていきました。

そして何より、「定着したら採用が減ってしまう」というビジネス的な発想に、強い違和感を覚えます。

採用した人に、責任を持ち続けたい。人生に関わる仕事を、数字の論理だけで終わらせたくない。望まない配置転換も重なり、箱島社長は独立を決意します。

こうして生まれたのが、『 株式会社ヒトコトLab』でした。


「人を商品にしたくない」という覚悟

箱島社長は、はっきりと言います。
「紹介や派遣が嫌いなんです。人を “商品” みたいに扱うのが、本当に嫌で…」

採用は、良くも悪くも人生を変えてしまう仕事。だからヒトコトLabは、採用して終わりにはしません。長く働けられるよう企業と一緒に向き合います。

定着支援で大切にしているのは、とてもシンプルで、とても深い問いです。

  • 辞めさせないことではなく、納得して続けられること
  • 本人だけでなく、会社側も一緒に整えること
  • 早い段階でズレを言葉にすること
  • 人を「能力」ではなく「状態」で見ること
  • 関係性を更新し続けること

これは「人は、理解されたと感じた場所に残る」というとても人間的な前提に立った支援だと思いました。

「優秀な人がいい」「休みを求める人は合わない」そうした言葉の奥にある、経営者自身の固定観念を一度丁寧にほどいていく。

例えば、家から近いから来た。
気づけば5年勤続し、リーダーになっていた。

それは、立派な “採用成功” なのだと、箱島社長は言います。


答えは、探すもの

ヒトコトLabが行う「0円採用」は、求人広告費をかけずに、企業の中にある ”言葉・関係性・設計” を整えることで採用を実現する仕組みのことです。コストではなく、構造で解決する考え方になります。

「答えは、世の中の成功事例にはない。だから一緒に探しましょう。」

求人は、一度出して終わりではない。反応を見て、言葉を変え、磨き直す。何度でも。
その前段には、経営者の考え方、現場の空気、会社の「格」を言語化するための、徹底した対話があります。企業の当たり前を言葉にし、誰が見ても同じに見える求人から脱却する。この会社に合う人だけに、ちゃんと届く状態をつくることが大切です。

「広告費0円で33名採用できました」「伴走採用でポテンシャルが高いスタッフが集まりました」「特殊な業種にもかかわらず、採用効率が向上しました」「採用人数が1.5倍になりました」
採用は会社の空気感を一変してしまいます。導入後、経営者からかけられる感謝の言葉がすべてを物語っています。


優しさは、設計できる

社内の雰囲気や、働き方のスタイルをお伺いした際に、社内の雰囲気はとても良く、人格者採用をしているので、スタッフも良い子しかいない。と箱島社長は即答されました。

ヒトコトLabの会議は、必ず「Good & New」から始まります。最近あった、よかったことをみんなで共有します。

忙しさの中では、どうしても足りない点に目が向きがちだからこそ、前を向くための材料を拾い合う時間を大切にしています。

働き方も、一人ひとりの事情を前提に設計されています。月に一度の出社と、週に一度のオンライン会議。主婦メンバーも在籍しており、会議に参加できない場合は、議事録で内容を共有します。

「その場にいないと置いていかれる」そんな空気は、意図的につくらない。誰かの生活を犠牲にしない働き方こそ、長く続く組織の土台だと考えているからです。

採用広報で掲げている「旅するように働く」という言葉も、単なるキャッチコピーではなく、それは同じ場所にいなくても、同じ時間に働いていなくても、それぞれの暮らしや状況を尊重しながら、仕事に向き合うという姿勢そのものを表していると感じました。

それぞれの人生のリズムを抱えたまま、同じ目的に向かって働く。だからこそ、価値観の違いを受け止められる人たちが、自然と集まってきます。

ヒトコトLabにある優しさは、偶然そこに生まれたものではありません。
人が無理をせず、誠実に働き続けられるように、意図して設計されてきたものだと感じました。その姿勢は、採用支援の在り方とも静かに重なっています。


あの時の出会いが、今につながっている

BAMBOOに参加した理由を尋ねると、箱島さんの言葉は、自然と一人の人物へと向かいました。

BAMBOO代表・祁答院弘智

最初の出会いは、今から十数年前。箱島社長が大学生の頃、バイクで日本各地を回っていた旅の途中でした。

「徳島なら、祁答院さんって人がいるよ。」

大学の友人からそう紹介され、若さゆえ半ば勢いのようなかたちで会いに行ったのが始まりだったといいます。

初対面にもかかわらず、祁答院さんはとても自然に、そしてあたたかく迎え入れてくれました。数日間、泊めてもらい、徳島を案内してもらい、言葉を交わし、時間を共にしました。

「あの時のことは、今でもずっと頭に残っているんです。」

特別な約束があったわけではありません。
けれど、人として向き合ってもらえた感覚だけが、静かに心に残り続けていました。

それから長い年月が経ち、SNSの時代になって再び二人の距離が縮まります。

祁答院さんのFacebookを通じて、北海道・十勝郡浦幌町で活動していことを知った箱島社長。たまたま仕事で隣町の釧路を訪れた際、ふとそのことを思い出し、数十年ぶりに連絡を取ったのが再会のきっかけでした。

残念ながらその時、祁答院さんは浦幌町にはいなかった。それでも、行政の方を紹介していただき、「祁答院さんの紹介です。」と名前を伝えると、浦幌町の人たちは驚くほど丁寧に、あたたかく迎えてくれたといいます。

「この人は、 行く先々でちゃんと “関係性” を残してきた人なんだと感じました。」

十数年前の出会いへの感謝。あのとき受け取った優しさへの、ささやかな恩返し。
そして何より、”誰とつながるかが、人生や仕事を大きく左右する” という実感。
「また祁答院さんとつながりたい」そう素直に思えたことが、BAMBOOに参加する決め手でした。

祁答院さんがいると、自然と人と人がつながっていく。肩書きや立場を超えて、関係性がほどけ、広がっていく。「祁答院さんといると、本当に “RELATION” だなと感じるんです。」

BAMBOOは、すぐに答えが出る場所ではありません。けれど、立ち止まりながら、人との関係を大切に育てていける場所。
だからこそ、ここに関わりたい。それが、箱島社長のBAMBOOへの期待であり、祁答院への、静かでまっすぐな感謝の気持ちだと感じました。


「人の人生に触れる仕事」を、これからも

採用は、会社の未来を決める行為であり、同時に、誰かの人生にそっと手を伸ばす行為でもあります。

だから、急がない。
押し込まない。
都合のいい答えを、先に決めつけない。

「答えは必ずある。でも、答えは探すものなんです。」

その言葉の奥には、箱島社長自身が歩んできた、迷い、挫折、そして何度も価値観を更新してきた時間が、確かに息づいています。

社会にとって欠かせないのに、まだ十分に光が当たっていない仕事がある。その現場で懸命に働く人たちがいる。

ヒトコトLabは、そうした一つひとつの仕事と人生に、丁寧に言葉を届け、次の仲間をつないでいきます。

派手ではないけれど、確かな一歩を。
効率よりも、関係性を。
成果よりも、人を。

ひとつの「ひとこと」から、人と人との関係性が紡がれ、誰かが安心して立ち止まれる居場所が、生まれていく。

ヒトコトLabはこれからも、そんな場の一員として、人の人生に触れる仕事を覚悟と敬意をもって、続けていきます。

株式会社ヒトコトLabホームページ
https://hitokotolab.co.jp/about/

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