埼玉県さいたま市浦和区にある「有限会社和郷木材」。昭和45年から建築資材販売をしています。 「どんな資材でもお客様の要望の商品をお探しする事」をモットーに、町場の工務店に向けて商売されています。
コロナ後、資材価格の高騰化等により建物の需要が減少し、新たな事業展開を考えるようになったそう。
そんな新しい挑戦にも取り組む、2代目社長の大郷隆人さんにお話を伺いました。
和郷木材のこれまで
大郷家は商人の一族で、これまで1代ずつ皆、家業が違うのが特徴でした。
和郷木材は大郷さんのお父様が創業された会社で、材木屋を始めたのは、お母様のご実家が工務店だからだそうです。
大郷さんは元々、宝石鑑定・宝石商社といった都会のビジネスマンでした。しかし、お父様が体調を崩されたため、27歳のときに家業を継ぐ決意をしました。
和郷木材はこの30年間、物流業を中心に商売をしてきました。
具体的には、町の工務店さんたちが必要とする資材をメーカーさんから仕入れて販売しています。しかしそれは、ただの物売りではなく、和郷木材のこれまでの知識や経験を売る仕事だといいます。
「人を幸せにして、人にないものを、自分が持っているものを提供することでしか商売できないと思ってる」という大郷社長の熱い想いと覚悟がこれまでの和郷木材を築き上げてきたのだと感じました。
仕事をする上で大切にしてきたこと
営業では、人との付き合いしか考えていないと語る大郷社長。サラリーマン時代、厳しいビジネス環境で培ってきた営業力は和郷木材を受け継いでからも引き継がれています。
ーーなぜ人付き合いを重視されてきたかについて教えてください。
大郷社長 「宝石って要は付加価値商品であって、人間の生活の中で一番いらないものじゃないですか。でも、それに対して高額な価値を感じるのって、やっぱり人間との付き合いしかないんですよ。その中でも喜んでもらうことをしていかないと。
人と心を通わせない人間と付き合うことをしない僕は、ゼロか100かの人間なんだよ、極端にね。」
ーー人と心を通わせるってどういう状態のことですか。
「強がって自分を大きく見せる人っていますよね。
でもそれは違ってると思っていて。僕だったら、自分が弱いところを人に見せる。
自分のダメなところを人に理解してもらう。
だからこそ、お互いにその人が困った時に助けてあげられる。
弱いところを見せないんだったら自分一人で生きていけるでしょって。」
心と心のつながりを大切に
中学のバドミントン部やビジネスマン時代の経験が今の自分を作っていると語る大郷社長。体育会系の理不尽な関係性の中で、自分がやられて嫌だったことは相手にはやらないことを学んだといいます。
本当は人見知りで人と関わることがあまり好きではないけれど、心を開く相手だったら自分も最初から心を開いて話すようにしているそうです。そんな大郷社長が人との心のつながりを作る中で何を大事にされているのかについて聞きました。
「自分が口にしたことは全て達成する、必ず行動に起こすということを大事にしています。
だから、人が困っていることに対して安受けをして助けることはしない。
『できないものはできない。僕ができる範囲でしか助けられない。』とはっきりさせています。その人には、助けを借りると同時に自分が成長することを考えなさいよということを伝えたいです。」
和郷木材の新たなる挑戦
コロナ後、資材価格の高騰化等により建物の需要が減少し、新たな事業展開を考えるようになった和郷木材。
現在は、社員さんに会社を任せたり娘さんたちが広報を務めるなど会社運営を仕組み化することで、新規事業である「VARIOUS VINTAGE」や「郷の和プロジェクト」の運営に向けて力を入れています。
「VARIOUS VINTAGE」とは?
「VARIOUS」というのは、大郷さんが所属するバイクチームの名前。大郷さんがアメリカンヴィンテージの世界に興味を持ち始めたのは、バイク好きの仲間の影響だったそう。また、アメリカの生き方や考え方が好きなんだとか。アメリカ人は、偉くなっていく人ほど働いている。そして「頑張る人だけがいい思いをする」という生き方に共感しているそうです。
ネット販売だけでなく、お客様との信頼関係を築けるように2025年4月アメリカンヴィンテージ雑貨販売店舗をオープン予定です。
VARIOUS VINTAGEのInstagramはこちら
「郷の和プロジェクト」とは?
郷の和プロジェクトは、全国の地域で本気で頑張る(まちづくり、ひとづくり、なかまづくり) 企業を都市部と繋げ、応援するプロジェクトです。現時点では、BAMBOO仲間の一般社団法人もりまちレジリエンスや富士スレート株式会社と連携しながら事業展開していく予定です。
和郷木材は社会貢献活動を通じて多くの社会課題解決に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
「都市と地域の共創でより良い街と未来をつくる」の実現を図り企業価値の向上につなげ、
社会貢献に取り組む枠組みとして「次世代育成・若者支援」「環境保全」 「文化の保全と伝承」の3つの優先領域を設定しました。
これらの3つの想い・こだわりで抽出した施策を、全国の仲間たちと共に展開していきたいと考えています。
これから何かに挑戦しようとしている人へのメッセージ
日本の中だけでなく、世界に通用する人間であれ!
世界的な大きな視野を持って新しいことにチャレンジすることが大切です。
特に20代、30代は今が頑張り時。いつだって自分の頭で考える習慣をつけていきましょう。また、夢を叶えるためには目標を立てなければいけない。
一日一日何をやればいいか、一年間何をやればいいかというところに刻んでいかなければ夢にもたどり着かないと思います。夢を語るならば、それに対する目標をもつことを忘れずに。